tasogarex’s blog

ITガジェットやライフハックとしてのゲームについて書いています。ITコンサルティング会社勤務シニアマネージャー。一児の父です。

スケール感は重要だという話です。 私はお仕事柄、視野・視座を高くもつことが必要とされますが、同時に、マクロ的なものの見方しかできない人にはならないようにしなければと考えています。 そういった人間はいうことだけは大きく、「大局観」というなんとも聞き心地の良い能力を持っているかのように見えて、結局はスケール感を持っていない偽物です。古い時代のコンサルティングファームコンサルタントはこれだけで稼げましたが、インターネットの発明、ITの発達による情報のコモディティ化によって、そのレベルへの到達が比較的に容易であることがばれ、相対的付加価値が低下しています。 大切なのはマクロとミクロを同時に考えることができる、もしくは瞬時に切り替えられることだと思います。 ミクロの把握には、地道な努力と勉強、反復と経験値が絶対に必要です。私も含め、多くの人間はこれが嫌いなので、前述の「大局観」や「生産性改善」や「働き方改革」という詭弁を使って遠ざけようとします。子供には勉強しろというのに大人は勉強していないのも同じです。 話をスケール感に戻すと、宇宙的発想というスピリチュアル領域のネタも実は同じ話をしています。 地球は太陽系にあって、太陽系は天の川銀河にあって、天の川銀河のとなりにはアンドロメダ銀河など50個ほどの銀河がある。 我々は空を見上げるだけで実はその銀河と毎日触れることができるのですが、意識している人は少ないです。一方で、我々は地球の中心に何があるのか、未だに確たることがわかっていません。こちらも下を向けば大地があり、そこと地続きである地球のコアの話ですが、意識していません。 あまねく万民が日々触れているのに意識していない上と下の世界に意識を向けてみる、これもスケール感をもつということにほかなりません。 そしてスケール感は多重構造でもあります。 物質の最小構造単位と思われていた原子は、原子核と電子でできるていることが判明されました。原子核は陽子と中性子でできていますが、原子核とその周囲を回っている電子との距離感は例えるなら、1部屋の中にある髪の毛一本だそうです。1/100,000。これら電子、陽子、中性子達は「量子」の代表例です。原発で話題になったセシウムといった放射性物質は量子レベルのサイズの話。一方、ウィルスや細菌などの化学や生物学的物質は最も小さくても原子レベルのサイズです。つまり部屋レベルの大きい世界の話であり、ウィルスや細菌がセシウムを変異させるなどはナンセンスであり得ないことです。そういった詐欺に騙されない為にもスケール感を把握することは役立ちます。 銀河系と太陽系は、大と小。太陽系と地球は、大と小。人間とウィルスは大と小。原子と原子核は大と小。科学・生物学と量子力学は大と小。このように大きさという分かりやすい指標でも、多重の大と小、マクロとミクロで構成されています。 前述の詐欺に騙されやすい人が良い例ですが、大と小、それぞれを抑えないと、スケール感は把握できません。 これまたスピリチュアル領域の人に多いのですが、銀河の外など大きなスケールばかり見て、いつかくる超常に依存し、今そこにある暮らしや地道で小さな努力やコミュニケーションを軽視する人が結構います。 これはつまり、大局観だけで先生的なコンサルしかできない旧世代のビジネスコンサルタントと同じです。こういう人たちは自分たちを「みえている人間」そうでない人たちを「みえていない人間」と考えがちですが、実は片手落ちで、彼らも「自分がどこにいるか見えてない人間」といえるでしょう。まさに井の中の蛙というやつです。スケール感をもっていないので、自分が大きいような気がしているだけ。